イラストレーターを使用してデザイン制作をしているとき、「背景を透明に保存したいのに白背景になってしまう」「編集可能な形式で透過情報を維持したい」といった悩みはよくあります。この記事では、イラレ 背景透明 保存という観点から、透過背景を維持できるファイル形式、書き出しの実際の設定手順、よくある失敗とその対処法を、画像加工やWebサイト用画像など多用途に対応できるよう、最新情報を踏まえて詳しく解説します。
目次
イラレ 背景透明 保存ができる形式とは
背景を透明のままで保存できる形式を知ることは、用途に応じて最適な出力をするために不可欠です。ベクター/ラスターの性質、透過情報の保持可能性、編集性やファイルサイズなどを総合的に比較します。
ここでは2025年現在のAdobe Illustratorの仕様に基づいて、透過を維持できる代表的な形式とその特徴を整理します。
AI形式(AIネイティブ形式)の特性
AI形式はIllustratorのネイティブデータをそのまま保存する形式です。透明情報(トランスペアレンシー)はAIのバージョン9以降であれば完全に保持され、オブジェクトやレイヤーの編集もそのまま可能です。背景を透明な状態で維持したい場合、大元のファイルはAI形式が最も汎用性が高く、後から他形式にエクスポートする際も元の透明を活かせます。印刷や再編集を前提にする制作物にはこの形式が適しています。
ただし、Web表示用など軽量化が必要な場合にはAI以外の形式に書き出すことも検討します。
PNG形式(PNG-24やPNG32など)の特徴と注意点
PNGはラスター形式で、特にWebやプレゼン資料でよく使われます。PNG-24(あるいはPNG32)ではフルカラーとアルファチャンネルをサポートしており、背景を完全に透明にできます。PNG-8も透明をサポートしますが、色数が256色に制限されるため、グラデーションや細かい色表現には向きません。
PNG形式にするときの注意点は、書き出し設定で「背景色:透明」を選ぶこと、また解像度を用途に合わせて決めることです。Web用なら72~150ppi、印刷も想定するなら300ppi以上が求められます。
SVG形式やPDF形式、それ以外のベクタ形式の比較
SVGはベクター形式で透過情報を保持でき、Webやアプリでのロゴ・アイコンに最適です。パスの情報で構成されるため拡大縮小の劣化がなく軽量です。PDF形式はバージョン1.4以降であればIllustrator編集の機能を保持しつつ透過情報を残せます。印刷物や編集後の共有用にも有効です。
その他、EPS形式(Illustrator CS以降)、PSD形式も有効ですが、EPSでは透明がラスタライズされるケース、PSDではレイヤー構造やファイルサイズに注意が必要です。
具体的な手順:イラレで背景を透明で保存する方法
形式が分かったところで、実際にIllustratorから背景透過を維持したままで保存・書き出しする具体的な手順を、最新情報に基づいて示します。初心者でも迷わないよう、メニュー名や設定項目も含めて丁寧に解説します。
イラレで背景が透過か確認する方法(透明グリッド表示)
まず透明状態かどうかを視覚的に確認するため、「透明グリッド」を表示させます。Illustrator画面のメニューから「表示」→「透明グリッドを表示」にチェックを入れると、グレーと白の格子模様が背景に現れ、背景が実際に透明であることがわかります。
この確認を怠ると、アートボードの背面に白い四角形などが残っていて透過にならないケースがあります。
PNGで書き出す手順:背景色設定とオプションの詳細
背景を透過したままPNG形式で書き出すには、メニューで「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」を選択し、ファイル形式でPNGを選びます。
その後、PNGオプションウィンドウで「背景色:透明」を選択します。また、「アートボードごとに書き出し」の設定を使うことで複数アートボードを書き出す際に背後の背景が混入するリスクを減らせます。解像度の指定も忘れずに行います。
SVG/PDFで透過背景を維持する書き出し手順
SVG形式で書き出すには、「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」からSVGを選ぶだけで透過背景が保持されます。設定で「背景の長方形」などの不要な白背景が含まれていないか確認します。
PDF形式では保存時にPDFのバージョンを1.4以上にし、「Illustratorの編集機能を保持」のオプションをオンにすることが透明情報を維持する肝要です。古いバージョン(PDF 1.3など)や非透過対応の設定で保存すると背景が白に戻ってしまいます。
背景透明保存で起こりがちなトラブルと解決策
透過背景で保存しようとしてもうまくいかない原因は幾つかあります。ここでは代表的なミスとその対処策を列挙し、問題解決のヒントを提供します。最新のIllustrator仕様をもとにチェックポイントを押さえておきましょう。
JPEG形式で書き出してしまう誤り
JPEGは背景透過をサポートしない形式です。書き出し形式で誤ってJPEGを選ぶと、透明部分は白色になるため、目的とする透過背景が反映されません。ロゴやボタンなど透過を必要とする場合はJPEGではなくPNG/SVG/PDFなど透過に対応する形式を選択すべきです。
アートボードに白いシェイプが残っているケース
見た目上は透明だと思っていても、アートボードの背面に白い長方形や塗りのオブジェクトが配置されていることがあります。これは透明グリッド表示にすると判別できます。不要な白いオブジェクトを削除するか背面に移動して非表示にしましょう。
PNG書き出し時のオプション設定ミス
PNG書き出し時、「背景色」が「白」、「アンチエイリアスがなし」、あるいは解像度が低すぎると、透過背景でも見た目が粗くなったり期待通りの透過にならなかったりします。オプションで背景色を「透明」、アンチエイリアスは滑らか、解像度は用途に応じて適切なppiを選ぶことが重要です。
PDF保存で透明が保持されない設定
IllustratorでPDF形式に保存する際、古いPDFバージョン(例えば1.3)を選ぶか、「Illustratorの編集機能を保持」のチェックをオフにすると透明情報がラスタライズされ、背景が白になることがあります。PDF1.4以降でかつ編集機能を保持する設定を確認しましょう。
用途別に選ぶ保存形式の目安表
保存形式は用途に応じて選ぶと、作業効率や品質が向上します。以下の表では主な形式を比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理しています。目的に応じて選択の参考にしてください。
| 用途 | 推奨形式 | 透過情報 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| Web画像アイコン/ロゴ表示 | PNG-24/SVG | 完全透過可能 | 軽量化/解像度設定重要 |
| 印刷用データ/冊子表紙 | AI/PDF(1.4以降) | ベクター透過保持 | ファイルサイズ大/互換性確認が必要 |
| Office資料/スライド | PNG/EMF | EMF:ベクター透過、PNG:ラスター透過 | EMFはWindows系での挙動注意 |
Illustratorの仕様から透明情報が保持される条件
形式だけでなく、Illustrator側の仕様設定が透過背景保存に大きく影響します。ここでは仕様上の要件と設定項目を最新仕様に基づいて紹介し、透過保存するために確認すべき細かい点を解説します。
PDF保存時のバージョンと「編集機能を保持」のオプション
PDFを透過情報を維持したまま書き出すには、PDFのバージョンを1.4以上に設定する必要があります。バージョン1.4以降では透明効果を表現できるようになっており、Illustratorの編集機能を保持する設定がオンになっていれば、後から編集も可能です。バージョン1.3など古い形式を選ぶと、透明部分がラスタライズされ、見た目固有の問題が発生します。
EPS形式での透過扱いと限界
Illustrator CS以降のEPS形式では、ファイル内にネイティブIllustratorデータとEPSデータが含まれている場合があり、Illustratorで開くときはネイティブデータ、他のアプリケーションに配置する際はEPS側が読み込まれます。ただし、EPS形式は透明を完全にサポートしていないアプリケーションや環境があり、配置先で背景が白になってしまうことがあります。
環境設定での書き出し設定の保存とプリセット利用
PNG形式などで透過背景の設定を毎回指定するのは手間なため、形式設定や書き出しプリセットを作成しておくと便利です。形式の設定ウィンドウからオプションを保存できるので、「背景:透明」「アンチエイリアスあり」「最適な解像度」などをプリセットとして登録しておくと作業効率が上がります。
このようなプリセットは後から読み出せ、複数のアートボードで一括処理する場合にも適用できます。
まとめ
イラレで背景を透明のまま保存するためには、まず透過をサポートする形式を選ぶことが基本です。PNG(PNG-24/PNG-32)、SVG、AI形式、PDF1.4以降などが透過情報を保持できます。
書き出しや保存の際には、背景色を透明に設定すること、透明グリッドで確認すること、JPEG形式を避けることが重要です。PDFならバージョンと編集機能の保持も忘れないでください。
用途別に形式を使い分け、書き出しプリセットを活用することで、透過背景の画像制作がスムーズに行えます。これで「イラレ 背景透明 保存」の悩みは大きく解消できるはずです。
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