使いやすいウェブサイトやアプリは、何も表示するものがないときもただの空白にならないように工夫がされているものです。「空状態 empty state 例」というキーワードで探している方は、表示すべき内容がないときの見せ方、ユーザーに次を促す言葉やビジュアル、お手本となるデザイン例を求めているはずです。ここでは空状態とは何かから、目的別の例・ベストプラクティスまでを具体的に解説し、実践に使える例を余すところなく紹介します。
目次
空状態 empty state 例とは何かとその重要性
空状態とは、ユーザーの画面に表示するデータがまだない、または既に消えたときに表示されるUIの状態を指します。たとえば新しく登録したばかりでアイテムが存在しない場合や、検索条件でヒットしない結果になったときなどが該当します。ユーザーにとっては「ここは何もない」と困惑する場面となりがちなので、ユーザー体験(UX)の中でも極めて重要な役割を持ちます。
空状態がきちんと設計されていないと、ユーザーが操作をあきらめて離れてしまう可能性があります。逆に、適切な例を参考にしてインセンティブを与えるメッセージ、アクションボタン、説明文などを組み込むことで、ユーザーが次の行動を起こしやすくなる設計が可能です。最新のUI設計指針でも、空状態に関するベストプラクティスがまとめられており、視覚的・文言的な助けによってユーザーを誘導する要素が推奨されています。
空状態の種類別例
空状態には主に以下の種類があります。種類に応じて適切な設計を行うことが大切です。種類を理解することが、適切な例を設計する第一歩になります。
- 初回利用時(First-use): ユーザーが初めてその機能や画面に来たときにまだ何もない状態。
- ユーザーが内容を全て消した後(User-cleared): 既存のアイテムや通知をすべて既読または削除した後など。
- 検索やフィルタで結果がゼロ(No results): 条件に合うものがないとき。
- データ取得エラーや読み込み失敗時(Error or Loading): ネットワークなどの問題で表示できないとき。
空状態が重要である理由
空状態はユーザーとの最初の接点や中断後の再入の場面で表れます。ここで適切な導線や誘導がないと、ユーザーはそのまま離脱してしまう可能性があります。逆にメッセージ性があり価値をしっかり伝えるような空状態は、ユーザーの理解と操作を促し、サイト・アプリの継続利用や機能理解に大きく寄与します。
構成要素:ヘッダー・説明文・アクション
空状態を構成する要素としては主に「見出し(ヘッダー)」「説明文(サポーティングテキスト)」「アクションボタンまたはリンク」「アイコン/イラスト」が挙げられます。見出しでは状況を一言で伝え、説明文で理由や背景、次の行動を示します。アクションを明確に設けることでユーザーに次を促すことができます。イラストは視覚的な補助として使われることが多く、適切なサイズとスタイルが重要です。
実際の空状態 empty state 例:目的別のデザインパターン
ここからは具体的な空状態 empty state 例を目的別に整理して紹介します。スクリーンやカード、ダッシュボードなど、設置場所や文脈に応じて最適な例を選べるようになります。
初回ユーザー向け:ファーストユースの例
初めてユーザーが画面を訪れる場合は、何をすればいいかがわからない状態が一般的です。このような場面では、機能の価値を簡潔に伝える説明と、最初のアクションを促すボタンが中心になります。例えばタスク管理アプリであれば「最初のタスクを作成しましょう」といった見出しと、ボタン「タスクを作成」で始める導線を用意します。
ファーストユースの例では、視覚的に期待感を持たせるイラストやテンプレート表示を伴うことがあります。テンプレートをサンプルとして見せることで「こうなります」をビジュアルで伝え、ユーザーの心理的ハードルを下げる効果があります。
検索結果ゼロやフィルタ適用時の例
ユーザーが検索をしたけれど何もヒットしなかった場合や、フィルタ条件がきつすぎて表示項目がなくなった場合の空状態は、適切なメッセージと言葉のチームが重要になります。「該当する項目は見つかりませんでした」「フィルタを変更してみてください」のような説明が役立ちます。フィルタ解除や条件変更のリンクやボタンを用意するのが定石です。
このケースの空状態例では、ユーザーが試せるアクションを複数提示することが効果的です。一つは条件を緩めるボタン、もう一つは検索のヒントや人気タグなどを提案するリンクなどです。これによりユーザーが離脱せずに再チャレンジできるようになります。
ユーザーがアクションを完了したあと:クリア状態の例
タスクを終えた/通知をすべて読んだ/メッセージを既読にした、などユーザーが「もう表示すべきものがない」状態になったケースです。このような空状態はポジティブな完了感を伴う設計が望まれます。見出しで「すべて完了しました」と伝え、次のステップとして他の機能を使ってみるよう促すメッセージを加えます。
完了型の空状態では、報酬や達成感を感じさせる言葉を使うことも有効です。たとえば「通知がすべて既読です。他のセクションを見てみませんか」という表現や、「新しいアイテムを追加してみましょう」というアクション設計が考えられます。
ロード中・エラー時の例
データ読み込み中やサーバーエラー等で内容を取得できない場合も空状態に含まれます。この場合、ただの「空」ではなく状態を説明し、ユーザーが安心できる仕組みを設けます。例えばスピナー表示+「データ取得中です」といったメッセージ、あるいは「再試行」ボタンを提示することが一般的です。
エラー時には原因と解決方法を示すことが重要です。「ネットワーク接続が不安定なようです」「再読み込みしてください」など具体的な案内を、見た目をシンプルに保ちながら組み込みます。こうすることで混乱を避け、ユーザーに再行動を促せます。
空状態 empty state 例を比較する特徴とベストプラクティス
良い空状態デザインには共通する特徴があります。ここでは多数の例を比較しつつ、文言・ビジュアル・レイアウト・アクセシビリティなど多角的視点からどのようなベストプラクティスがあるかを整理します。
文言(コピー)のトーンと内容のポイント
文言はユーザーへの案内役です。まず、肯定的・前向きな言葉を使うことが望まれます。「まだありません」ではなく「始めてみましょう」といった誘導型の言葉が効果的です。また、文言は短く、一目で意味が伝わる見出し+背景説明+アクションの構造を持つことが推奨されています。
例えば検索ゼロの場合は「該当する結果はありませんでした」と見出しで判断し、説明文で「キーワードを変えるかフィルタをリセットしてみてください」と案内するような構成がユーザーの混乱を抑えます。過去の設計例でもこの構成が高い評価を得ています。
ビジュアル要素:アイコン・イラストの活用
イラストやアイコンは空状態をただの無機質な表示ではなく、親しみやすさと状況の把握を助ける要素となります。適切なイラストは説明を補強し、ユーザーにとって意味のあるものになります。ただし、画面サイズやコンテナの範囲によってはテキストのみで設計することが望ましい場合もあります。
また、ビジュアルのスタイルは一貫性が重要です。ブランドのデザインガイドラインに沿ったカラーや線の太さ、アイコン種別を用いることで違和感を抑えることができます。イラストが複雑すぎるとユーザーがメッセージを読み取る前に離れてしまう可能性があります。
アクションの提示と配置
空状態には必ずユーザーが次に取れるアクションがあることが望まれます。ボタンまたはリンクを明確に配置し、主なアクション(プライマリーCTA)を目立たせ、副次的な選択肢を用意する場合はボタンの優先度を考えることが重要です。アクションがない空状態は、ユーザーを放置したのと同じです。
配置についても、画面の上下左右のスペースやマージンを考慮してボタンやリンクが押しやすく、視線で追いやすい位置に置くことが推奨されます。特にモバイル画面では画面の中心や下部に配置することが効果的です。
レイアウト・レスポンシブ対応と視認性
空状態は画面全体またはカード・テーブルなどのコンテナ内で表示されます。どこに表示されるかによってサイズやマージンが異なります。フルスクリーン空状態なら大きな余白と中央配置、カード内空状態なら上下左右にパディングを多めに取るなど、見た目のバランスを保つ設計が必要です。
またレスポンシブ対応も欠かせません。スマホやタブレットで表示したときにもアイコン・テキスト・ボタンが読みやすく、押しやすくなっているかを確認します。色のコントラストやフォントサイズも視認性を保つためのポイントです。
アクセシビリティと国際化の配慮
アクセシビリティとは、視覚障害者や色覚に違いのあるユーザーにも配慮することです。テキストのコントラスト、スクリーンリーダー対応、ボタンのフォーカス時の表示などを設けることが必要です。さらに国際化対応を考慮し、翻訳時にテキストが長くなる可能性を踏まえたレイアウト設計が望まれます。
文言の選び方でも文化的な違いが影響する場面があります。例えば冗談めいた言い回しやユーモアは、文化によって捉え方が異なるため慎重に使う必要があります。説明が複雑になる場合はシンプルで直接的な表現を選ぶことが安全です。
空状態 empty state 例のHTMLテンプレート実践例
ここでは実際に空状態 empty state 例として使えるHTMLテンプレートを紹介します。WordPressに貼って使える構造です。用途に合わせてカスタマイズしてください。
<div class="empty-state full-page">
<div class="empty-state-icon">
<!-- アイコンやイラストを入れる場所 -->
</div>
<h2>まだ表示できる内容がありません</h2>
<p>新しい項目を追加するか、検索条件を変更してみてください</p>
<button class="btn-primary">追加する</button>
</div>
このテンプレートは「フルページ空状態」の例です。カード内やテーブル内の空状態にはこれを簡略化して使うと良いでしょう。クラス名を調整してCSSで見た目を整え、文言やボタン名も具体的機能に合わせて変更します。
カード内空状態のテンプレート例
カードやリスト表示の中でアイテムが0個の場合に使えるテンプレートです。通常コンテンツより小さな空間なので、文章やイラストは控えめにします。
<div class="empty-state card"> <h3>項目がありません</h3> <p>条件をリセットするか、新しい項目を作成してください</p> <button class="btn-secondary">フィルタをリセット</button> </div>
検索結果ゼロ時のテンプレート例
検索機能にゼロヒットしたときの例です。ユーザーがキーワードを見直すヒントやリンクを追加するのがポイントです。
<div class="empty-state no-results"> <h2>申し訳ありません、検索結果が見つかりませんでした</h2> <p>語句をチェックするか、キーワードを変えて再度お試しください</p> <button class="btn-primary">検索をやり直す</button> </div>
読み込み中/エラー時のテンプレート例
コンテンツ取得に時間がかかっているときやエラーが発生したときの空状態例です。ユーザーに状態を知らせるとともに、復帰できる手段を示します。
<div class="empty-state error"> <h2>データの読み込みに失敗しました</h2> <p>ネットワークを確認するか、再度読み込みをお試しください</p> <button class="btn-primary">再読み込み</button> </div>
設計者が押さえておくべき空状態 empty state に関する最新指針
空状態については複数のデザインシステムやUXガイドラインが最新のベストプラクティスをまとめています。それらを参考にしながら、実際のプロジェクトに活かせるポイントを解説します。
Nielsen/デザインシステムの原則
ある大手デザインシステムでは、empty state を用いるタイミングや構成要素に関する原則が明文化されています。見出しで「なぜ何も表示されないか」を伝えること、説明文で次の行動を案内すること、アクションボタンを設置することが基本とされます。またアイコンは中立的な背景色で表現するよう推奨されており、テキストは短めで読みやすいものにするよう指導されています。
パターンフライ等によるサイズと応答性の考え方
あるUIライブラリでは、空状態の大きさを「スモール」「ラージ」「エクストララージ」に分類しており、画面全体なのかカード内部なのかによって使い分けを行います。スクリーンの上下のマージンやパディングの設定、アイコンのカラー/配置にも明確なガイドラインがあります。これにより、どの画面でも空状態が違和感なく統一された印象になるよう設計されています。
コピーと説明のベストプラクティス
空状態のコピーは短く明瞭で、ユーザーが直感的に次の操作を理解できる構成にすることが望まれます。肯定的表現を用いること、命令形や誘導語を使うことが多くの場合で効果があります。検索ゼロ時には検索語を再確認させる案内、初回利用時には何をすればいいかを示す手順や入り口を提示することがユーザーの離脱防止につながります。
アクセシビリティと多言語対応の最新配慮
最新の指針では、色覚多様性を考えてテキストと背景のコントラスト比を高めること、スクリーンリーダーに対応するラベルや読み仮名をつけることなどが求められます。さらに翻訳の際には文が長くなることを見越してレイアウトに余裕を持たせる設計が必要で、言葉選びも文化差に配慮したものが推奨されています。
活用例レビュー:優れた空状態 empty state 例から学ぶ
実際のプロダクトで使われている空状態 empty state 例をレビューし、うまくいっている点を明らかにします。設計の具体例を通じて、自分のプロジェクトに取り入れられるアイデアを見つけましょう。
製品ダッシュボードの初回表示例
あるタスク管理ツールでは、ユーザーがプロジェクトをまだ作成していないダッシュボード画面に、「あなたのプロジェクトはまだここにありません」「まずプロジェクトを作成して始めてみましょう」といった見出しと説明文、そして「プロジェクトを作成」ボタンを中央に配置しています。視覚的にも淡いイラストが使われており、期待感と導線が明確で、ユーザーが最初のアクションをためらわない設計です。
フィルタ結果ゼロ時の改善例
ファイル管理アプリで、複数のフィルタを適用すると表示対象が0になるケースがあります。その例では「フィルタの条件を緩める」ボタンとともに人気のフィルタ例を提示し、「クリアする」「別のフィルタを試す」の選択肢を用意しています。ユーザーに選択肢を提供することで、躊躇を減らし再アクションを起こさせる力があります。
完了状態の祝福的表示例
通知やタスクをすべて処理した後の空状態では、「すべて完了しました」「他の機能も試してみませんか」といった文言を用いて、ユーザーが達成感を感じつつ次の画面へ遷移したくなるような設計が見られます。ビジュアルでチェックマークや笑顔のイラストなどを追加することでポジティブな印象を強めています。
エラー時のユーザー安心感のある例
読み込み失敗やネットワークエラーが発生した画面では、ユーザーが何が問題か理解できるよう説明文を丁寧にし、再試行ボタンを目立たせています。また、背景の色を抑え目にして文言だけでも支えられるデザインが多く、ビジュアルより言葉で安心感を提供することが重視されています。
まとめ
空状態 empty state 例を理解することは、ユーザー体験を向上させ、離脱を防ぎ、サイトやアプリの目的達成に直結します。種類ごとに目的が異なるため、それぞれの空状態に応じて見出し・説明文・アクション・ビジュアルを最適に組み合わせることが鍵です。
初回利用時には導入を助ける説明とテンプレートなどで期待を持たせ、検索結果ゼロや条件不一致時には改善のヒントを提示し、ユーザーが操作できる選択肢を与えることが大事です。さらにエラーなどネガティブな状態でも、原因と次の手順を示してユーザーの不安を和らげる設計が求められます。
空状態をただの無表示と捉えず、ユーザーの道案内と捉えることで、デザインの完成度は大きく変わります。ぜひこの記事の例やテンプレートを参考に、ユーザーの次の行動を促す空状態デザインを実装してみてください。
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